ウィーン発BOE> VOL12

ウィーン発ボウ

VOL.12 ルーマニアの「ドナウデルタ」

2003年12月更新

ドナウデルタ  4月下旬から6月にかけて3度>ルーマニアを訪れました。首都ブカレストには殆ど立ち寄らず東の端を目指します。ここはトルチャの町。「ドナウデルタ」への入り口の町 です。写真奥の方からドナウが流れ、右(東)の方、黒海の方向へと流れて行きます。ドイツの黒い森から始まるドナウの流れは、ウィーンやブダペスト、旧ユーゴの国々やブルガリアを経て最後の国ルーマニアで黒海に注ぐ前に、ここトルチャ付近で3つの流れに分かれます。ここから始まる広大な湿地帯が「ドナウデルタ」です。 デルタの各地へはここから船やボートで向かいます。


大型貨物船 途中大型の貨物船と出会いました。ベイルートからの船です。デルタはかつて、中東そしてアジアとヨーロッパをつなぐ重要な交易の中継点でした。古代にはギリシャ、ローマの人々が、その後オスマン‐トルコ帝国がこの地を支配しました。19世紀後半からはルーマニア領になり、ドナウ航路を流域の各国で国際管理するようになりました。ルーマニア南部にドナウと黒海を結ぶ運河が出来てからは利用する船が減りましたが、それでもトルコやロシア、ドイツの大型コンテナ船や客船などが現在もドナウデルタの中心を流れるスリナ川を利用しています。スリナ等3つの川は細かい水路で結ばれています。


アシの茂る水路 こうした水路は途中いくつもの湖を通りながらデルタを東西南北に網の目のように走っています。陸で言えば大きな幹線道路を結ぶ国道や裏道のようなもので すが、この脇道こそ自然の宝庫と言われるドナウデルタの美しさと出会える貴重な「現場」なのです。鏡の様な水面。周りを囲むアシ原。そのアシの間や樹木の陰から水鳥たちが飛び立ちます。白鳥が飛ぶ姿も身近に見る事が出来ました。ドナウデルタは渡り鳥など鳥類の繁殖地が多い事でも知られています。人間が容易に近寄れない ので鳥たちの安全が保たれているのです。


飛ぶ鳥   鳥たちの繁殖地は「コロニー」と呼ばれます。彼らが巣を作 り卵を生んでひなを育てる所です。ルーマニア政府が定めた保護区の中で、漁師やハンターや観光客から守られています。鳥だけではありません。ドナウデルタは様々な出会いを私にもたらしてくれました。わずかな人口ですが、代々ここに住みついた「川の民」もいます。次回は人々の暮らしの様子をお伝えしたいと思います。


14.JUN. 2003山本大輔 maildyamamoto@officeboe.co.jp

←前 ウィーン発ボウ目次 次→

上に戻る

Copyright (C) officeboe. All rights reserved.無断転載・転用を禁じます。